実行、夜の散歩。


仕事から帰り、玄関で犬の名を呼ぶ。
飛び出して来て、喜ぶ。
ここまで、いつもと同じ光景。
しかし、用意しておいた、
リールを見せると・・・・さぁー大変。
興奮して、腰を左右にフリフリさせながら、体当たりして来た。
「エ?! イマカラ?! デモ、ウレシインデスケド〜」
と言わんばかりにじっとしていない。なんとか、リールセット。
散歩体勢完了。ドアをあけるのを今か今かとスタンバって、
あけるや否や、飛び出して行った。
いやいや、リールつけてるから
もちろん、「グぅえっ!!」ってなってたけど。
いつもの散歩道ではなく、
夜の散歩バージョンに変更したからか、
戸惑いをかくせない模様。
いろいろ、クンクン匂いを嗅ぎつつ
ゆっくりめに進む。その内、慣れたのか、
小走りに、前ヘ前へと、スムーズに進むようになった。
しかし、基本、この子は散歩が下手で。
飼い主の右側を歩調を合わせて、進むんだと、教えても
何度も何度も歩く作者を横切って、
思いっきり左側の先を歩く。
リールを短かめにもち、根気よく、言い聞かせる。
見た目、感じは、ちゃんといい型になっているが、
ただ単に、リールに引っ張られ、自由がきかないだけ。
しばらくそんな、無理無理の姿を見ていると、
なんだか、あまり人気のいない、広い遊歩道を少しだけでも
走らせてあげたい気になった。
作者が先をグンと進み、
めい一杯ゆるめたリールを思いっきり前へ
引っぱりながらちょっと小走りする。
すると、犬もつられて、負けじと思いっきり走り出す。
気持ちよさそうだった。何度もくり返した。
で、もう、無理、ギブ。ぐったり。
犬の散歩なのに、作者の小走りトレーニングかのようで。
でも、距離的にはたいしたことはない。
なので、当初、同じ道を2周しようと計画していた。
すごい疲れたけど、
いつもよりきっと、短い距離に、
物足りなさを感じているだろうと、
スタート地点にたどりつき、さぁ、もう一度、
出発しようとした時、リールに抵抗感を感じた。
振り向くと、そこには、
腰を落とし、かたくなに動こうとしない我が家の犬がそこにいた。
えぇー?!もう無理なのか?! 
「がんばって、もう一周しようよ」と声をかけるも、
きいちゃいない。そして、身体は尻込みしながら、
家の方角を向きはじめた。
えぇーーー!? 帰る気、満々じゃん!!
しゃーない・・・帰るか・・・とリールをゆるめたと同時に
すごい勢いで、家路を急いで小走りで走り出した。
あげく、家の前まで来て、何のためらいもなく、
曲がって、ちゃんとドアの前で、
開けてもらうのをまっていた。
そんなに、家に帰りたいって・・・
あれ?!そんなに散歩好きじゃないのかも!?
あ・・・走ったのがずかったのか・・・
ハァハァが止まらないもんね。