電車の中で。 


思いのほか、チケットとるのに時間がかかってしまった。
身支度をとっとと済ませ、足早に駅に向う。
目指すは、新宿の伊勢丹。17時に待ち合わせ。
たまたま駅につくと、特急列車が来るところだったので、
チケットを手配し、それに乗った。
出口の都合上、前の方がいいなぁと思っていたけれど、
チケットに書かれたのは、ちょうどまん中あたりの車両。
もちろん、座れたけれど、座ってすぐに思った。
車掌さんが来たら、車両を変えてもらおうと。
しかし、残念ながら、中途半端な時間にもかかわらず、満席。
それに、一度座ってしまったので、かなり面倒くさくなってしまって。
しかたなく、その場でがまん。
何故、席を変わりたかったか・・・。
だって、車両の半数は母と子が座る限定車両のよう。
もう、ちょっとした幼稚園の母親引率の遠足列車。
うっせーのなんのって。ちっちゃい子たちの声は、これまた、
よく通って、響くんだわ。ビックらこくくらいの
「子供発狂デシベル」。あげく、後ろの方はおばちゃんたちが
旅の帰りだと思うんだけど、これまた元気にしゃべるしゃべる。
車内騒音120ホーンで、公害指定だよ。
ホントにうるさくて・・・ちょっと
おかしくなって来て、笑けてきて。あまりのうるささに。
しゃーない、ウォークマンを大音量で聴いて、
ごまかすかな・・・って鞄をごそごそ。
取出して、両耳にセットして、playボタンを押すと
即座にでた、「電池、ないですよ」マーク。
えー−ーー−?! このまま?! このうるささのまま?!
はぁ・・・。お弁当を売りに来た制服の女性に聞く。
「あの・・・電池はお取り扱いありますか」
「申し訳ございませんが、あいにく、ございません」だって。
辛抱するしかないようだ。こうなったらあきらめよう。
何を思ったか、うるさくても、もしかしたら・・・って
目をつむってみた。ものすごく、眠かったから。
やっぱり・・・目をつむっても眠れるはずもなく、
一層うるさく感じるだけ。
あまりのうるささにポロッと出た、独り言。
「うっせーよぉ〜」が 、子供の声にかき消された。
空し過ぎる抵抗だ。またまた、おかしくて、笑ってしまった。
もうあきらめよう。
だんだんきっと慣れてくるにちがいない。
子供達が静かになる事よりも、
人の持つ順応する能力にかけてみよう。
前の座席の若い女の子は、大きなヘッドホンをしていて、
大音量で耐え忍んでいるのがわかる。同志発見。
すると、後方より車掌さんが
「ご用のある方は、お申し付けください」と
言いながら出現。
「このうるささをどうにかしてください」と
いおうと思ったけれど、
車両の3分の2はうるさかったから、
民主主義の原則に乗っ取り、
黙っていようと決心。すると、
車掌さん何やら前の若い女の子に話しかけている模様。
何々と聞き耳をたてる・・・
「音漏れされているようなので、
もう少しボリュームを下げていただけますか」って、
え−−ーー−!!!! そこ?!なんで?!
いやいやいやいや、もっとさ、あるでしょーよ!!
先に言わにゃならん事がさ?!
かすーーーかに音漏れ・・・って、別に気にならない。
というか、聞こえない。聞こえるわけないよ。
なのに・・・どうしてだろう・・・
なんで音漏れ注意したんだろう・・・
音漏れっていうか、車両全体が音漏以上なんですけど?!
音漏れするほど大音量で聴かなくちゃ、やってられないこの状況を
お察しくださいよ、車掌さん。
もー、ビックらこいて、眠気がぶッ飛んじゃったよ。