鬼門。

atmy2005-03-23

「鴬谷」にお墓がある。
お彼岸なので山手線に乗って、ほぼ年に2回しか来ない「鴬谷」で下車。
春と秋に来る度に、風情のある家屋がなくなっている。
跡地はテナントビルかマンション。
寂しい気もするが、街の雰囲気的には
寺院が多いからか、さほど変わっていないように思う。
さすがにお寺がマンションになったなんて話、聞いたことがない。
ちなみに鴬谷はお寺も多いがラブホテルも多いらしい。
ある意味、両極端のようで一直線上に存在するのではないかとふと考える。
「生(性)と死」。なんとも人間くさい。さすが下町。いや、ちょっと違うか。


界隈の住所は台東区・根岸になる。
以前、谷根千(谷中・根津・千駄木)について色々調べ、
レポートを提出したことがある。
その時知ったのだが、根岸も谷根千の近くで、江戸から見て、
どうやらここら近辺は「鬼門」にあたるらしいのだ。
だから、何が多いって「寺院」が半端ない数で点在する。
いわゆる魔よけのようなものだろう。
大きいお寺から小さいお寺まで、様々な宗派が1つの通りに
いくつも立ち並ぶ。
たぶん、「お寺スタンプラリー」を開催したとしても、
日が暮れる。絶対迷うし、スタンプカード何枚分に
なることか。


お墓のあるお寺に行く途中、必ず立ち寄る「お花屋さん」と「お肉屋さん」。
前者はもちろん、墓前に手向ける花を買う。
後者は・・・そこのお肉やさんで作っている「メンチ」が目的だ。
お寺までの道のりを注文してから揚げてくれる
熱々のメンチ片手に歩くのが年2回の習慣となっている。
道のりといっても、メンチを食べはじめてから
お寺に到着するまでとても短い。
だので、いつも、食べ残しの半分を持ったまま、
お墓参りをする。
なんとも、行儀が悪い。
あげく、今日はお腹が空いていたので、
雨が降って傘をさしているにも関わらず
それでも、あきらめずに墓前の脇で残りのメンチを
かじろうとしたくらいだ。
申し訳ない。許してください、ご先祖様。