じぃ〜ん。


テレビで実話の感動エピソードを見て、
久々に1人、じぃ〜ん・・・
心のきれいな人っていいな。
ある日を境に人生が一変してしまう。
そんなある女性のお話。30年近く前のこと、
ひどい肩こりを少しでも治そうと「鍼灸治療院」で
首の後ろに針をうってもらって直に気分が悪くなり、
1時間もしないうちに意識不明。
そして、それから目覚めることはなく植物状態
しかし、旦那さんの献身的介護も奏したのか、
奇跡的に意識が快復。
目が覚めたら2年の月日が流れていた。
意識が戻ってすぐ、開口一番は
「子供達は元気に育ってる?」であった。
わが子をどんなにか想っていたんだろうな。
そして、原因になったであろう、
鍼灸治療院を訴えるか・・・
という話を病院側から促され、
夫が彼女にたずねた。
すると、「それだけはやめて」と彼女が言う。
「だれも私を初めから障害者にしたかったわけじゃない。
ひどい肩こりを少しでも
よくしようと思ってしてくれたこと。
それに、誰かをうらんで生きて行く姿を
子供達に見ながら育ってほしくないから」と。
なかなか言えたもんじゃないよ。
ため息まじりに、人生の理不尽さと彼女の
心の広さ、深さ、暖かさ、優しさを痛感する。
子を想う母親は偉大で、彼女の心は聖人のようだった。
たしかに、人をうらんで、憎んで生きて行くことは
苦痛の何ものでもないと思う。
きれいごとで、理想論だと言われるかもしれない。
たしかに、一生をかけて誰かをうらんで
生きて行こうと思うほどの
経験が幸いなことに作者にはない。
だから、本当のところ、そういう状況に直面した時、
彼女のような心境に正直なれるか・・・自信はない。
憎しみはただ、何も生まず、
反対に色々なものを奪うだろう。
わかっていても、むずかしいな・・・きっと。
首から下が麻痺していて、長い間、不自由をしいられても、
それでも、常に穏やかな顔していられる彼女。
「運命を受け入れる。ただそれだけ」
とベッドの上で答えた。